DATA / RAILWAY CROWDING / OFFICIAL STATISTICS

鉄道の混雑率とは?
2025年度の公表値を読む

東京圏143%、大阪圏117%、名古屋圏126%。この数字は何を数えた値でしょうか。国土交通省の最新公表をもとに、混雑率の定義、平均・区間・時間帯の違い、路線ごとの情報へ戻る方法を整理します。

PUBLISHED 2026-08-13 / EDITED BY mannin-densha-risk編集部

先に結論

  • 令和7(2025)年度の主要区間平均:東京圏143%、大阪圏117%、名古屋圏126%です。前年度から東京・大阪は増加、名古屋は横ばいでした。[1]
  • 混雑率は輸送力に対する輸送人員の割合:100%は定員乗車を基準にした指標で、事故や個人の体調が起きる確率ではありません。
  • 時間と区間が限定される:公表値は最混雑時間帯1時間の平均であり、路線全体・一日全体・すべての列車を表す値ではありません。
  • 自分の路線は事業者の最新情報へ:国土交通省は詳細な路線別情報を鉄道事業者のページで確認するよう案内しています。[5]

01 / DEFINITION

混雑率は「輸送人員 ÷ 輸送力 × 100」

混雑率は、ある区間・時間帯の輸送人員が、列車の輸送力に対してどの程度かを示す指標です。国土交通省の用語解説では、混雑率=輸送人員÷輸送力×100(%)と説明されています。輸送力は、車両定員・編成数・列車本数から算出されます。[4]

混雑率の目安公的な説明の例読み方の注意
100%定員乗車その時間・区間の輸送人員と輸送力の比率
150%肩がふれあう程度、新聞が楽に読める車内の感じ方や設備を保証するサービス基準ではない
180%体はふれあうが、新聞は読める同じ数値でも車両・乗車位置・人によって体感は変わる
200%以上圧迫感や身動きのしにくさが増す目安事故や体調不良の発生確率を意味しない

目安の表現は国土交通省中部運輸局の用語解説によるものです。数値から個人の体感や危険を一律に判定しません。

02 / 2025 RESULT

令和7年度の三大都市圏平均を読む

国土交通省が2026年7月28日に公表した令和7(2025)年度実績では、三大都市圏の主要区間平均は次の値でした。東京圏は143%、大阪圏は117%、名古屋圏は126%です。前年度との比較は、東京圏が139%から4ポイント増、大阪圏が116%から1ポイント増、名古屋圏が126%で増減なしでした。[1]

圏域2025年度平均2024年度主な区間数
東京圏143%139%31区間
大阪圏117%116%20区間
名古屋圏126%126%8区間

「主な区間数」は国土交通省の資料2に示された区間数。圏域平均は各圏域のすべての路線・すべての駅間を平均した値ではありません。

比較の単位をそろえる:「東京圏143%」と「ある路線の一つの区間160%」は、同じ種類の数字ではありません。圏域平均と個別区間を順位表のように混ぜず、調査年度・時間帯・対象区間を一緒に確認します。

03 / SECTION DATA

平均値と個別区間は、別の粒度で見る

国土交通省の資料2には、路線名、区間、時間帯、輸送力、輸送人員、混雑率が並びます。[2]以下は2025年度の資料からの例示的な抜粋です。最高値ランキングを作るための表ではなく、混雑率が区間・時間帯に結びついたデータであることを示すために掲載します。なお、国交省が公表する最混雑区間のランキング形式の資料は[3]で確認できます。

圏域・路線区間 / 時間帯輸送力輸送人員混雑率
東京圏・東京メトロ東西線木場 → 門前仲町
7:50–8:50
40,500人64,800人160%
大阪圏・阪急神戸本線神崎川 → 十三
7:27–8:27
24,768人35,800人145%
名古屋圏・名鉄本線(東)神宮前 → 金山
7:40–8:40
22,252人31,503人142%

数値は国土交通省「資料2:三大都市圏の主要区間の混雑率(2025)」からの抜粋。調査対象日の条件や路線・区間の変更注記も、原資料と合わせて確認してください。

AREA AVERAGE

三大都市圏の平均

複数の主要区間を集約した比較用の値。特定の通勤経路の車内を直接表さない。

SECTION VALUE

路線・区間の値

指定された駅間と時間帯の輸送人員・輸送力から計算した値。区間が変われば別の値になる。

04 / ROUTE CHECK

自分の路線を調べる順番

国土交通省の平均値は全体像をつかむ入口です。実際の通勤経路を確認したい場合は、次の順番で粒度を下げます。

01 / YEAR

同じ調査年度か確認する。2025年度の値と過去年度を混ぜて現在値のように扱わない。

02 / SECTION

路線名だけでなく、どの駅間・どの方向の区間かを見る。

03 / TIME

最混雑時間帯1時間の値か、事業者の時間帯別案内かを確認する。

国土交通省は、路線ごとの詳細な混雑状況について、各鉄道事業者のホームページを確認するよう案内しています。事業者の運行情報・混雑情報は、調査統計の平均値とは別の最新情報です。[5]

トイレの場所、乗換、途中の降車ポイントなど、混雑率だけでは決まらない通勤上の選択肢を整理したい場合は、電車でトイレが不安なときの通勤設計も参照できます。混雑率を体調や便意の確率へ変換する記事ではありません。

国土交通省の公表時点を年度別に並べ、元号年度・圏域・指標をCSVとJSONで確認したい場合は、鉄道混雑率の推移データを参照してください。年度間の区間・計測条件の違いも同じページで注記しています。

05 / LIMITS

混雑率から言えないこと

公的な統計でも、指標が答える問いには範囲があります。混雑率を便利な「危険度」に作り替えると、元の調査条件が消えてしまいます。

混雑率から分かること混雑率だけでは分からないこと
指定された区間・時間帯の輸送人員と輸送力の比率個人が何分間どの密度にいたか、車内の場所ごとの違い
年度ごとの主要区間平均の変化その変化がすべての路線・列車・曜日に起きたか
公表表にある区間同士の数値比較遅延、事故、体調不良、便意、ストレスの発生確率
混雑対策を考えるための交通指標自分にとっての乗りやすさや不安の強さの判定

トップページとの境界:トップの `0.13%`、`×3.4`、路線別順位などはフィクション作品の設定です。国土交通省の混雑率から、トップの架空モデルや「漏らす確率」を実証することはできません。

混雑率と心理的な負担を同じ指標にしない読み方は、満員電車のストレスと公的調査・一次研究で整理しています。消化管症状を研究の種類から読みたい場合は、腸脳相関とヒト研究・ラット研究の読み方で、関連と因果、ヒト研究と動物研究を分けて確認してください。

参考文献・確認先

  1. 国土交通省「平均混雑率が東京圏・大阪圏で増加、名古屋圏は横ばい―都市鉄道の混雑率調査結果(令和7年度実績)」2026年7月28日。公式発表
  2. 国土交通省「資料2:三大都市圏の主要区間の混雑率(2025)」公式PDF
  3. 国土交通省「資料3:都市部の路線における最混雑区間の混雑率(2025)」公式PDF
  4. 国土交通省中部運輸局「主な鉄道用語」—混雑率の定義と目安。公式ページ
  5. 国土交通省「鉄道混雑情報について」「主な鉄道事業者ごとの混雑情報」案内 / 事業者リンク